手取りが額面より少ない理由(社会保険料・税金の内訳)
求人票の「月給25万円」と、実際に振り込まれる金額には数万円の差があります。 その差はどこに消えているのか、天引きされる項目を1つずつ確認します。
額面と手取りの違い
- 額面(総支給額):基本給+各種手当を合計した、天引き前の金額。求人票や契約書に書かれる金額
- 手取り(差引支給額):額面から社会保険料と税金を差し引いた、実際に口座へ振り込まれる金額
天引きされる6つの項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 健康保険料 | 会社員は協会けんぽ・健保組合に加入。都道府県ごとに保険料率が異なる |
| 介護保険料 | 40〜64歳のみ、健康保険料に上乗せ |
| 厚生年金保険料 | 老後の年金の原資。会社と折半 |
| 雇用保険料 | 失業給付などの原資。料率は低いが全員対象 |
| 所得税 | その月の給与額に応じて源泉徴収。年末調整で過不足を精算 |
| 住民税 | 前年の所得をもとに計算。新卒1年目は原則かからない |
このうち社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険)は会社と折半で、 給与明細に載っているのは自己負担分だけです。
手取り率の目安
独身・扶養なし・会社員(協会けんぽ)というよくある条件で試算すると、 額面に対する手取りの割合はおおむね次のようになります(年収帯や地域、扶養の有無で変わる概算です)。
| 額面年収 | 手取りの目安 | 手取り率の目安 |
|---|---|---|
| 300万円 | 約240万円 | 約80% |
| 500万円 | 約392万円 | 約78% |
| 700万円 | 約535万円 | 約76% |
| 1,000万円 | 約735万円 | 約74% |
年収が上がるほど所得税の累進課税が効いてきて、手取り率はゆるやかに下がっていきます。 「額面の8割弱が手取り」というのは、多くの会社員に当てはまるおおまかな目安です。 扶養家族の有無、年齢(40歳以上は介護保険料が加わる)、都道府県によって数%変わります。 自分の条件での試算は 給与の手取り計算(概算) で確認できます。
「今月だけ手取りが少ない」が起こる理由
- 入社1〜2年目で住民税が急に引かれ始める:住民税は前年の所得に対して課税されるため、 新卒1年目は天引きがなく、2年目の6月から急に天引きが始まります。同じ額面でも2年目の手取りが減ったように感じます。
- 賞与(ボーナス)にも社会保険料と税金がかかる:賞与は「額面のほぼ全額」がもらえると思いがちですが、 月給と同じ項目が天引きされます。
- 年に数回、社会保険料率が改定される:健康保険料率や厚生年金の上限額などは制度改正で年ごとに変わり、 額面が同じでも手取りが微妙に変動することがあります。
- 年収がボーダーラインを超えると住民税・社会保険の扶養から外れる:配偶者や学生アルバイトの「年収の壁」も、 手取りが額面ほど伸びない典型例です。
手取りを増やす方法(考え方だけ)
ここでは選択肢の存在だけ紹介します(それぞれ条件や向き不向きがあるため、実行前に制度を確認してください)。
- ふるさと納税:住民税・所得税の前払いに近い仕組みで、手取りそのものを増やすものではありません。返礼品分だけ実質的にお得になります。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除の対象になり、所得税・住民税が軽くなります。ただし原則60歳まで引き出せません。
- NISA:運用益が非課税になる制度で、天引きされる税金を減らすものではなく、資産運用の税制優遇です。
まとめ
- 手取りは額面から社会保険料4種+所得税+住民税を引いた金額。
- 手取り率はおおむね額面の74〜80%程度(年収・年齢・地域で変動)。
- 入社2年目の住民税天引き開始など、額面が同じでも手取りが変わるタイミングがある。
自分の年収・年齢・都道府県での手取り額は 給与の手取り計算(概算)で試算できます。 昇給率や手取りの増減率を知りたいときは 割合・パーセント計算 も便利です。